強風雪で火花 電線トラブル2日で77件

強風雪で火花 電線トラブル2日で77件
北日本新聞 12月19日(水)9時47分配信


 県内の平野部が「ドカ雪」に見舞われた今月8日から9日にかけ、強風と降雪の影響で一般家庭への引き込み電線から火花が散るトラブルが相次いだ。電線のスパークは火災につながる恐れがあり、今冬は同様の気象条件となる日が多いと予想されるため、北陸電力や消防関係者は警戒を強めている。(社会部・小幡雄也)

 北陸電力によると、引き込み電線から火花が散るトラブルは、8、9の両日で計77件発生した。富山市立山町などの富山支店管内で63件、高岡、砺波両市などの高岡支社管内で13件、魚津支社管内で1件だった。

 トラブルのあった引き込み線は、いずれもビニール製の皮膜に亀裂が入っていた。この隙間から入り込んだ塩分が電線に付着し、その上に雪が降ったため火花が散ったと、北電はみている。

 富山地方気象台によると、8日は未明から強風が吹き、午前11時52分に富山市で最大瞬間風速13・7メートルを記録。石川方面の海上からも風が吹き込み、この風に塩分が含まれていた可能性が高いという。同日午後3時ごろからは雪が降り始め、裂け目のある電線に積もって、トラブルにつながったと考えられる。

 富山市消防局には、「電線から火花が出ている」という通報が計15件あった。若林健通信指令課主幹(56)は「わずか2日間で、10件以上の通報があったのは初めて」と驚く。北電配電部業務運営チームの山田知博副課長は「もともと冬場は電線関係のトラブルが多い」とした上で「今回はトラブルを引き起こす気象条件が重なったようだ」と分析する。

 電線のスパークは、火災につながる危険性をはらんでいる。今月6日、高岡市中川町で高圧電線から炎が上がった。2009年10月には、引き込み電線から出た火花が原因で、富山市の木造住宅の玄関付近を焼いた。いずれも大きな被害は出なかったものの、北電は「火災につながる可能性はゼロではない」と警鐘を鳴らす。

 同気象台によると、今月の県内はシベリアから強い寒気が流れ込むため、平年より気温が低く、降雪量も多いと見込まれる。冬型の気圧配置が強まる影響で、風の強い日も多くなりそうだという。

 北電は「老朽化した引き込み電線の更新を着実に進め、再発防止に努めたい」としている。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121219-00000108-kitanihon-l16



これまでの雪対策よりも想定外のところまで考えないといけないですね。